今がくらいのは死後くらいから


ダイアナ妃の自殺未遂


★ここから★ 

多くの人が思うように、金や物、

名誉や地位のないのが苦しみの根元ならば、

それらに恵まれた人生は、

よろこびに輝いていたにちがいありません。

しかし実際はどうでしょう。

イギリス王室の華・ダイアナ妃の自殺未遂は

五回にも及んだといいます。

美貌といい、シンデレラストーリーといい、

“世紀の結婚”とまでうらやまれた彼女も、

人知れず苦しむ、一個の人間でしかありませんでした。

日本初のノーベル文学賞に輝いた川端康成が、

ガス自殺をとげています。氏もまた苦悩の人であったのでしょう。

女と靴下は、戦後強くなったものの代表とされた。

靴下をかくまで強いものにした

革命的繊維ナイロンを発明したのは、

アメリカのカロザースです。

勤め先のデュポン社は、

この天才的化学者に破格の待遇をしたそうです。

「生涯、どこへ旅行をし、

どんな高級レストランやバーで飲食しようが、

費用の一切は会社が持つ」というのです。

カロザースのご機嫌を損じては一大事。

彼の一生の遊び代ぐらいを保証しても、

安いものだとデュポン社が考えたのでしょう。

そのカロザースは、四十一歳の若さで自殺しました。

金や財、名誉や地位のないのが苦悩の元凶ならば、

あり得ない結末ではないでしょうか。


マイケルジャクソンさんの訃報が

世界中にながれました。

世界のスーパースターになった心境を

「自分はさらの上のスパゲッティみたいだ」と告白したそうです。

成功すると自分からちょっとでも金をむしり取ろうと多くの人が

集まってくるからです。

★お釈迦様はおっしゃいます。


田なければ、また憂いて、田あらんことを欲し、
宅なければ、また憂いて、宅あらんことを欲す。

田あれば田を憂え、宅あれば宅を憂う。

牛馬・六畜・奴婢・銭財・衣食・什物、
また共にこれを憂う。有無同じく然り
       (『大無量寿経』)


「田畑や家が無ければ、それらを求めて苦しみ、
有れば、管理や維持のためにまた苦しむ。
その他のものにしても、みな同じである」

金、財産、名誉、地位、家族、
これらが無ければないことを苦しみ、
有ればあることで苦しむ。

有る者は“金の鎖”、無い者は“鉄の鎖”
につながれているといってもいいでしょう。

材質が金であろうと鉄であろうと、
苦しんでいることに変わりありません。


これを釈尊は「有無同然」と説かれる。

どれほどの財宝や権力を手にしても、
たとえ宇宙に飛び出しても、本当の苦悩の根元を知り、
取り除かないかぎり、人生の重荷はおろせません。


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