今がくらいのは死後くらいから
バートランドラッセル
趣味の楽しみはつまらない現実のごまかし
「どんなときが一番楽しいか」と聞かれたら、
趣味に熱中しているときをあげる人が多いでしょう。
たとえば水泳で記録に挑戦する、
チェス大会で相手の動きを読む、
足を踏みはずさぬよう気をつけてロッククライミングなどです。
こういった状況では神経が一点に集中し、
この危機をどう乗り切るか、どうやって勝つか、
“目の前のこと”しか考えていません。
「あんなひどいことを言われた」「上司から叱られた」
「嫌いな人と今日も会わねばならない」などの、
もやもやした感情に煩わされないのです。
ところが
楽しいひとときが終わってしまえば、
嫌な宿題、やり残した仕事、たまった家事と、つまらない現実に逆戻りです。
ラッセルが『幸福論』で
「道楽や趣味は、多くの場合、もしかしたら大半の場合、
根本的な幸福の源ではなくて、現実からの逃避になっている」
と言っているように、
「趣味に熱中する楽しみ」とは、苦痛を一時的に忘れる時間つぶしといえるかもしれません。飲んだ酒に酔っ払っている間だけ、
借金を忘れて気持ちよくなっているのと、似たようなもの
というといいすぎでしょうか?
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